新入会員紹介

新入会員挨拶

榛名丼

 皆様初めまして。この度、日本推理作家協会の末席に加えていただくことになりました榛名丼と申します。
 入会に際しまして、佐藤青南先生と綾崎隼先生のご推薦をいただきました。ご多用の中お力添えくださったお二方には、この場を借りて厚く御礼を申し上げます。
 入会のご挨拶ということで、何を書けばいいだろうと悩ましく思っておりましたが、せっかくなので簡単に自己紹介をさせていただけたらと思います。
 わたしは2021年9月に『婚約破棄された替え玉令嬢、初恋の年上王子に溺愛される』という小説で作家デビューを果たしました。
 小説家になるのは小学生の頃からの夢でした。素人がウェブ上で小説を発表し、それが出版社の目に留まってデビューできるとは、わたしが子どもの頃と比べるといい時代になったなぁとしみじみ思います。
 だんだんと安定してお仕事もいただけるようになり、忙しない毎日を送っておりましたが、そんなときにふと、幼い頃の自分を思いだしました。小説家になりたいと豪語するようになったときの自分のことです。あのときのわたしは物語を書き綴りながら「いつか何かの賞で受賞したい!」と息巻いておりました。
 息巻きながらも特に何もせず十数年をだらだら過ごし、初めて賞に応募したのが2020年3月のこと。応募先は第27回電撃小説大賞でした。その結果は一次選考落ちというもので、あの出来では致し方ないと思いながらも、悔しい気持ちを抱いていました。
 権威ある賞の受賞はやはり憧れますし、もう一度くらい本腰を入れて挑戦してみよう、と思いました。このタイミングを逃すと、もう挑戦する気概をなくしてしまうかも、という気もしていました。
 そこで執筆したのが『ドッペルゲンガーは恋をする』という、わたしが生まれ育った静岡市を舞台にした青春恋愛小説です。本作は第29回電撃小説大賞を受賞し、『レプリカだって、恋をする。』に改題され出版されました。
 ちなみに、第27回電撃小説大賞応募時のメールを確認してみたところ、応募作が「蜃気楼に恋をする」というタイトルだったので、自分でも驚愕してしまいました。恋をする小説、二連続で応募していたようです(笑)
 生みの苦しみという言葉がありますが、作家デビューを果たしてからも、苦しさより楽しさを感じて毎日を過ごせているのは、とても幸せで、ありがたいことだと思います。出版させていただいた小説は、前述したように異世界ファンタジー、青春恋愛小説などが中心ですが、個人的に最も好きなジャンルはミステリとデスゲームです。自分自身が本の中に迷い込んだようにドキドキできるところが大好きですし、わたしの本も、誰かにとってそんな一冊であったなら、これ以上に嬉しいことはないなと思います。
 今後もジャンルに囚われることなく、いろいろなお話を書いていきたいです。まだまだ若輩者ではございますが、今後とも何卒よろしくお願いいたします。