日本推理作家協会設立70周年記念イベント開催

代表理事 今野敏

 周年のイベントがいつから始まったのか、私は記憶していませんが、最も印象に残っているのは五十周年の文士劇です。六十周年の立教大学キャンパスでのイベントも規模が大きかった。
 思えばいい時代でした。協会協賛の出版物も売れに売れ、出版社も威勢がいい時代だったのです。出版各社の援助を得て、潤沢に資金を使えました。
 七十周年を迎えるに当たり、まず考えたのは、金は使えないな、ということでした。会費を値上げしたばかりで、それでも決算はぎりぎり黒字という状態です。
 そこで、毎年恒例となっているJTのイベントを拡大して七十周年のイベントとしようと考えたわけです。それなら、費用はかからないばかりか、JTからの収入もある。そういう計算です。
 蓋を開けてみると、思った以上の好評でした。存命の歴代理事長(現在は代表理事)のほとんどが顔をそろえるという、なんとも贅沢なイベントとなりました。この面々が一堂に会することは、これまでなかったのではないでしょうか。
 ワークショップでは、逢坂剛さんが孤軍奮闘してくれたことも申し添えておきましょう。