ゴルフ

ゴルフ敢闘記

高野正良

 10数年前、関与先のゴルフコンペで夫婦二人が寝坊して慌てて住まいの世田谷から埼玉の飯能グリーン迄タクシーを飛ばした。ゴルフ代よりタクシー代の方が多かった。それ以降無駄な財政支出を避けるため、カミサンは早起きするようになった。今朝は午前4時起きである。個室(洗面所)はゴルフ雑誌のミニ図書室になっている。時間をかけてゆっくり読書し戦略?を練った。
 私の税理士仲間Iはゴルフから帰宅すると〈お帰り〉の挨拶の前に毎回「優勝おめでとうございます」と先手を取られている。止む無く彼は手土産でテキの矛先をかわしている。我が家は玄関先で私を送り出しながらカミサン(77才)が年季の入った指を1本たてる。1等賞を期待するVサインである。
 今回カミサンに(優勝したよ)と伝えると(ウソでしょう)と顔は笑っているが疑惑の表情。いつも〈どうでしたか〉と成績を尋ねてくるカミサンに返事は「ウーン」の一言。無言の返事が続いていた。今日は口がなめらかである。
 帰宅のベルで気づいた息子が上の階から降りてきた。早速賞品を開けている。

 第34回の日本推理作家協会親睦ゴルフ大会は、立野クラッシックゴルフ倶楽部で開催された。快晴に恵まれ広大なヘァウェーはなだらかな地形、美しい景観のコースである。
 同伴競技者の楡周平氏は協会の世話役で、毎年梅雨時の季節の開催なのに一度も雨に降られた事はなく、快晴?の中でプレーしていると笑顔。天気に感謝されていた。楡氏は独特のスイングで豪快なショット。アプローチはグリーン上でバックスピンがかかりピタッと止まる。ショートアイアンの切れ味は絶妙、是非習得したい技である。
 初参加の榊原大祐氏(角川書店)は義父から譲り受けたXシャフトのフェイス9度のドライバーで登場。楡氏が心配顔。もっと優しいクラブを選んだらとアドバイスされていた。ショットは左右乱れ打ちになったが挫けない。後半はそのドライバーを使いこなしてショットが安定し、最後までさわやかな笑顔でプレーされていた。

 26回(2006年)の石坂ゴルフ倶楽部が初参加。28回(2008年)に同じ石坂ゴルフ倶楽部でネット75で初優勝。このたびの34回(立野クラッシックゴルフ)は老齢(80才)ハンデ(5)をいただき樹木に当たったゴルフボールが打ちやすいヘアーウェーに戻る幸運が何回かあって、2度目の優勝に恵まれた。
 ガラス製の気品のある優勝盾は孫たち家族の写真と一緒に書棚に飾ってある。一つ増えて2個になった。観察力の鋭い孫娘がいつ気付くか楽しみである。
 次回の開催地が同じ立野クラッシックゴルフに決まった。密かに3匹目?のドジョウを狙っている。