はじめまして。
今年二月、『愛と殺意のラスベガス』でデビュー致しました葉南あきこと申します。
山前譲先生、若桜木虔先生からご推薦を頂きまして、晴れて推理作家協会会員となりました。
正直を申しまして、私が一読者だった頃、好んで読んだジャンルは「恋愛小説」でした。頭を使い謎解きを楽しむ推理小説より、感情優先で楽しめる恋愛小説に大きな魅力を感じていたからです。
そんな私が、殺害シーンの出てくる恋愛ミステリーを書き上げ、作家デビューを果たし、推理作家協会会員になれるなんて、自分ですら想像もしておりませんでした。
今になって慌てて読書量を増やそうとしている私ですが、よくよく思い出してみると、小学生の頃はかなり本好きの子供でした。『銀河鉄道の夜』や偉人の伝記モノ。お気に入りの本は幾つもありましたが、中でも『霧のむこうの不思議な町』という本が大好きで、何度も就寝前に読み返してはワクワクしたものです。
しかし、そんな私も高校へ入学した頃から、読書より友人らと遊び歩くことに楽しみを覚えてしまい、いつしか本から離れた生活を送るようになりました。
短大は(作家らしく)国文学を専攻したものの、これと言って研究対象があったわけでもなく、ここでも友人らとの付き合い優先の日々を過ごす毎日でした。
(もっと勉強しておけば良かったと、今になって痛感する日々だったりします)
そんな私に、再び読書の楽しみを与えてくれたのは、OLになってからの通勤ラッシュでした。
当時の私にとって「本」は単なる現実逃避の手段であり、イライラ防止の道具でしかありませんでした。しかし、この頃から心の奥深い部分で、常に書く側を意識している自分がいたように思います。
それからは、自分でも不思議なほど読書に嵌り、大好きな林真理子さんの小説は、一冊残らず入手しました。
そして今から三年ほど前、漠然としていた私の夢が、少しずつ形となり始めました。
外資企業にて受付業務を務めていたのですが、来客数は日に数える程度。上司から(姿勢を正しての)読書だけは許可されておりました。私は、ここぞとばかりに、カウンターテーブルの天板下で、読書(プラス執筆)を満喫したものです。
執筆における基礎的なことは何も知らぬまま、ただ楽しんで書き続けた毎日でした。文学賞への応募など、考えたこともありませんでした。
あくまで、この時はまだ、私にとっての「本」は元気と楽しみを与えてくれるモノであり、それ以上でも以下でもない存在でした。
しかし、この「存在」が、私の中で次第に大きくなっていきました。
――書くことを心から楽しいと思う自分がいる。そんな自分の小説が、誰かの楽しみや元気と成り得たら、どんなに素敵だろう――
いくら綺麗事を並べても、これは自己満足に過ぎませんでしたが、それを認めても尚、私は作家を目指すことにしました。
――自分だけでなく、他人も幸せにできる自己満足なら、貫く価値があるかもしれない――
そんなことを考え出した矢先、受付嬢兼作家志望の私に、運命的な出会いが訪れました。師匠である若桜木先生の著書との出会いです。
先生は、私からのコンタクトに、とても真摯に対応して下さり、「短編しか書けない」などと勘違い甚だしい思い込みのあった私に、短編の難しさや長編の魅力を教えて下さいました。
そうして出来上がったのが『愛と殺意のラスベガス』です。私が長編を書いたのは、まさしく、この作品が初めてでした。
今はまだ、(推理小説に限らず)書くことの魅力と難しさに何度も直面し、不器用ながらも真正面から消化している毎日です。諸先輩方に、少しでも近づけるよう頑張りたいと思っております。
こんな私ですが、どうぞ宜しくお願い申し上げます。
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